高橋鎮の歴史文化風貌区の北側、北街のエリアに行ってみると、一応、そこここの古い建物に「保存対象」を示す看板が取り付けられてはいるものの、修復が殆ど手つかずの状態である。
ここは、前近代的な(悪く言えば、不衛生な)住環境が、ほぼそのまま続いている。しかし、これはこれで、空間的には興味深いものがある。少々恐怖感を抱かせるような迷路状の狭く薄暗い露地の連続、商業と住居の境界もプライベートとパブリックの境界も、総て曖昧模糊とした、濃厚な生活臭が漂う街並みの中は、政策的な歴史文化以前、計画的な保全以前の、ある意味では、東街、西街以上にリアルな高橋鎮を見る思いがする。