Design Note

日々進めているプロジェクトや、デザインのヒント、旅先で見つけたものやことなどをお伝えいたします。

2014.11.28

ロンドン地下鉄のデザイン

公共交通機関として、世界で最も明快なアイデンティティを確立しているのは、間違いなくロンドン地下鉄だ。それもそのはず、ロンドン地下鉄は、その創設時から、そのデザインを精緻にマネジメントし、つくり上げてきたからだ。

赤い円の中央水平に、青い帯で、「UNDERGTOUND」と示されたシンボルマーク。その書体、世界中のダイヤグラムの先駆けとなった路線図、広告ポスター、駅舎の建築まで、まさにトータルなデザインを長年に渡って、構築してきた、ロンドン地下鉄のデザイン史を、奇麗な写真でまとめた一冊が2013年に、手に取りやすいサイズのペーパーバック版で出版された。" London Underground by Design " Mark Ovenden 著 2013年 Penguin Book 

頁をめくるだけで、とにかくスゴいボリュームのデザイン・ストックが次々に出てくるのだが、そもそも、この洗練されたモダンデザインを公共交通機関に持ち込んだのは、1908年以降、地下鉄の広報担当となったフランク・ピックという人物だ。彼が、タイポグラファーのエドワード・ジョンストンにオリジナルの書体製作を、マクナイト・カウファーにアート的なポスターを、チャールズ・ホールデンに新しい駅舎建築のデザインを依頼することで、1930年代以降、今日でも全く色褪せないこの一連のデザインが生み出されて行く。

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そして、もう1人忘れてはならないのが、地下鉄信号所にドラフトマンとして勤務していた、ヘンリー(ハリー)・チャールズ・ベックの作ったダイヤグラム式路線図。これは、今日でも、マイナーチェンジを繰り返し使われているものだが、その原型が1940年代にほぼ出来ている。

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ちなみに、このダイヤグラム路線図だけを取り上げた " Mr. Beck's Underground Map " ( Ken Garland  著  Capital Transport Publishing  1994)という本もある。世界のグラフィックデザイン史に残る偉業の達成までの道のりと、その後の改善などが、さらに詳細に紹介されている。

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